ここ数年で増えている修理の１つに裏ハトメがございます。

ハトメの付いていない靴をお履きになった方は経験があるかもしれませんが

長年履いているとアイレットが伸びて広がるケースがあります。

今回お持ち込まれた靴はこちら

Aldenのプレーントゥシューズ。

モディファイドラストのフォルムとコードバンのツヤが美しい定番モデルです。

コードバン特有のツヤに畝るようなシワは唯一無二。大事に育てたい一足ですね。

こちらのモデルは

外側はもちろん

裏側にもハトメがございません。

こういったモデルはアッパーとライニングの間に補強材が入っているのですが

ハトメほどの強度はありませんので、強いテンションで結び続けると穴が広がってしまいます。

こちらに事前補強として裏ハトメを付けていきます

まずはアッパーとライニングを縫い合わせているステッチを解きます。

開くと中はこんな感じ。

グレーのボードのようなものが補強材です。

強く結ばない方はこの補強材でも強度は十分です。

次にライニングのみにハトメをセッティングし

しっかりと打ち付けます。

再度アッパーとライニングを縫い付けて

シューレースを通せば完成。

ハトメは表からは見えません。

オリジナルの見栄えは崩さずに強度を上げるお修理です。

これで安心してギュッと結んでいただけます。

今回は裏ハトメででしたが、あえて外ハトメにして雰囲気を変えるのもアリです。

外ハトメはカラーもお選びいただけますので是非ご相談ください。

【裏ハトメ】　１羽根　2,500円+tax (今回は４羽根なので10,000円＋tax)

【外ハトメ】　アイレットの列数＊1,000円＋1,000円+tax (今回の靴の場合は6結なので7,000円+tax)

※アイレットが伸びたり裂けている場合は追加修理が必要になったり、外ハトメしかお取付けできない場合がございます。

革靴は適切なタイミングで修理やケアをすれば本当に長い付き合いになります。

ソールはある程度履きすぎても交換すればなんとかなることも多いですが

アイレットは替えの効かないパーツです。

心配な方はご相談ください。

横浜店　シン