靴の底面鑑賞
靴の底面鑑賞
Jun 10, 2010
- CATEGORY
- 日々の出来事
私が所有する最古の靴、おそらく1930年代製造のフランス製キャップトゥです。
スマートなアーモンドトゥ、8対のレースホール、シャープなフォルム、素材はきめ細かなスェード。
信じられないくらい細かなミシンピッチ。オーラが立ち昇ります。
しかし、私が本当に美しいと思っているのは靴底。傾斜が大きく小ぶりのピッチドヒール、ハンドの吊りこみでしかあり得ないベベルドウェスト、立体的に盛り上がったラウンデッドバック。
実際に足を入れてみると、土踏まずがぴたりとフィットし押し上げられるような感覚があります。でも、私にとってそんな機能性はどうでもよろしい。
この靴底を眺めながら飲む酒のうまいこと。ヨーロッパの貴族が白のトラウザースなどにこの靴を履いて、妙齢のご婦人と湖畔でピクニックなどを楽しんだのであろうと想像しつつグラスを傾ければ並みのワインがビンテージ級に感じられます。
ある時、中川クンから靴の格はアウトソールに現われると聞いたことがありますが、うむ、名言である。
ユニオンワークスのファクトリーには、ヒールやウェスト、コバなどの加工を得意とする職人さんがいて、日々、技を磨いています。
お気に入りの靴を、さらに格上げしてみるのも楽しいかもしれませんよ。
yo-c