Whitehouse Cox キーケース 補修

Whitehouse Cox キーケース 補修

Jul 27, 2023

[ホワイトハウスコックス]

1875年にイギリス・バーミンガム北西にあるウォルソートで

ホワイトハウス氏とサミュエル・コックス氏によって創業された老舗高級革小物ブランド。

特に日本で人気のブランドで、大手百貨店や、

セレクトショップなどでも必ずと言って良いほど取り扱いのあるブランドでした。

しかしそんな人気のホワイトハウスコックスも2022年に惜しまれながらに生産終了となりました。

理由は後継者が見つからなかった為だそうです。

人材の確保、多くの会社が抱えている問題ですね。

 

英国製品が好きな方にとって非常に残念な発表だったと思います。

既に同ブランドの製品を使用している方は末長く愛用したいですね。

 

本日はそんなホワイトハウスコックスのキーケースの修理紹介です。

 

本体の中にストラップ付きの鍵を付けるリングがあり、

ストラップを引っ張ることで鍵を出し入れ出来る仕組みになっています。

 

ガキを使わないときはこの様にボタンを留めておけば収まりが良くなる仕様。

面白い作りですね。

 

長年の使用によりストラップや本体の内側の革に劣化、剥がれが起きています。

 

今回は張り替えを行います。

ステッチを解き裏革を外します。

 

表革に新しい裏革を貼り直して、

 

ボタン、ハトメを打ち直します。

 

元穴を追いながら縫い留めていき、余った裏革をさらいます。

この時点でコバの処理まで終わらせておきます。

 

次にストラップ。

オリジナルは薄い革を2枚重ねてあるタイプでした。

コチラは接着のみで留まっているため使用と共に剥がれてくる可能性が高いです。

今回は1枚でオリジナルと同じくらいの厚みがある革で裏革を付けずに作り直す事にしました。

 

裏のバサバサが気になるのでしっかり処理をします。

もちろんコバの仕上げもこの段階でしておきます。

 

リングを縫い留めたストラップを本体に通した後、この特徴的な金具も移植します。

 

完成です。

 

新しくなったライニング。

 

ボタン、金具もオリジナルと遜色ありません。

 

コバの仕上げも綺麗に出来ました。

 

ステッチもしっかり元穴を追えています。

上手く仕上がったのではないでしょうか。

手に入らなくなる物がこれから増えてくる時代。

革製品は特にそうだと思います。

 

使い捨てでは無く修理して永く使う文化。

世の中に更に広まっていけば良いなと切に願う次第です。

 

皆様のご利用お待ちしております。

 

最後までお付き合い頂き有難うございました。

 

 

山田