【SARTORE】サルトル 縫ってあるかと思いきや…
【SARTORE】サルトル 縫ってあるかと思いきや…
Jan 04, 2024
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- LADIES REPAIR
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2023年12月27日(水)〜2024年1月4日(木)の期間
ユニオンワークスは年末年始休暇を頂戴しております。
期間中は大変ご不便をおかけいたしますが
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
フランスのシューズブランド“サルトル”
同ブランドでは美しいシルエットのロングブーツが有名ですが、今回はセンターゴアのブーティと少し珍しいタイプのお修理をご紹介いたします。
ご覧の通り現在ソールが剥がれている状態。
ソール面を見てみると一見ステッチがかかっているように見えます。しかし、これはダミーのステッチなのです。
実際はこのようにソールのみステッチがかかっているので、靴本体とはつなぎ止められておりません。なので製法としてはセメント製法。接着のみということです。
オリジナル同様接着のみの修理でも良いのですが、再度剥がれてしまうリスクが高いのでマッケー製法の作りになるようにステッチをかけてお直しいたします。
リフトの削れも激しいので交換いたします。
続いてアッパー
ソールとアッパーのキワに雨染みができております。雨に濡れて乾く際に、汗の塩分が表面上に残りこのように白くなってしまいます。綺麗にするため水洗いによるクリーニングを行います。
仕上がりがこちら
ソールを接着後、中底からソールにかけて縫いをかけソール面の糸を隠すようにラバーを貼っております。
このようにする事で縫った糸が切れるのを防ぎソールが剥がれる心配を最小限にいたします。ラバーを貼ることでレザーソールの延命にもなるので、ハーフラバーソールの交換のみで長くお履きいただけます。
ヒールは削れが激しかったのでオリジナルのリフトより少し厚いリフトをつけ、ヒールの高さが変わらないようにお修理しております。
続いてアッパー
クリーニングによりシミの除去を行い、クリームでのケアをする事で色褪せていた箇所もしっかり黒くなり自然なツヤが出て引き締まった印象になりました。
before
after
今回のようにセメント製法→マッケー製法に変更するには少々リスクも伴います。
①縫うことによりソールが返りにくくなり履き心地が少し固くなる。
②中底(履いた時に足が乗る土台)にステッチをかけるため足当たりの履き心地に違和感が出る場合もある。
このような事も起こる可能性がございます。何を優先するかによってご提案、オススメするお修理は変わってきますのでお気軽にご相談ください。
今回はサルトルでしたが、他のブランドでもソールが剥がれてしまった靴に対して今回のようなお修理が可能な場合もございますのでぜひご相談ください。
ありがとうございました。