
EDWARD GREEN オールソール&グラッサージュ
EDWARD GREEN オールソール&グラッサージュ
Aug 04, 2020
本日修理でご紹介する靴はこちら。
EDWARD GREEN WESTMINSTER
フォーマルはもちろん、デニムなどカジュアルな装いにもぴったりとはまるダブルモンク。
ダブルモンクといえばストラップ部分に革が重なる為、ぽってりとしているものが多いですが、GREENはピタッと甲に沿う作りになっておりシャープで洗練された印象です。
GREENといえば年代毎にロゴが変更されている為ロゴを見るだけでどの年代で生産されたのか、どの工場で作られたのかある程度判断ができます。個人的には比較的新しいこの年代の金ロゴが1番好きです。。。
今回のお修理はオールソールとグラッサージュをすることになりました。
ソールやカカトはまだ交換のタイミングではないですが、雨の日にも履きたいとの事で、ラバーソールでオールソールする事になりました。
ダイナイトソールで交換しました。
ソールの厚みも戻り、グリップ力もあるためこれで雨の日でも安心して履けますね。
お次はグラッサージュです。
今回はポイントを踏まえながら細かい工程を書いていきます。
まず使うのはブートブラックのリムーバー。
布に染み込ませ、古いクリームやワックスを落としていきます。
ハイシャインクリーナーなどもありますが、この程度のワックスであればリムーバー1つで落とす事ができます。
左くらい綺麗に落ちていれば大丈夫です。
仕上がりに大きく関わってきますので、しっかり落としましょう。
今回はサフィールのクリームを使います。
まずはペネトレイトブラシなどを使いコバにクリームを塗ります。
アッパーにもクリームを塗り終えたら、5分待ちましょう。
早くブラッシングしたい気持ちを抑え5分待ちます。
革にクリームが染み込んで、表面の油分が固まります。表面がサラッとしてきたら豚毛のブラシでブラッシングします。
ベタつきがないよう、表面をしっかり布で拭き取ると艶が出ます。
ここまでが下処理です。
下処理の出来で大きく仕上がりが変わってきます。
次に指でワックスを塗っていきます。
最初の塗布は硬めのワックスを使うと早く光りやすいです。
均等に塗るのではなく、つま先が1番光ってほしいのでつま先には多くのせましょう。
甲に近い薄いピンク部分は屈曲した時にシワが入る可能性があるので薄く乗せていきます。
つま先が終わったらサイド、甲、カカトにも塗ります。
カカトは自然な艶感になるよう、つま先同様にグラデーションを意識して塗っていきます。
両足塗り終えたら、ワックスを固めて馴染ませる目的で豚毛で全体をブラッシングします。
1回のワックスの塗布とブラッシングで艶が出てきました。
つま先に1番艶があるのがわかるかと思います。
2回目はつま先、カカトを重点的にワックス塗ります。塗り終えたら毛穴に塗り込むイメージでネル生地で優しくワックスを伸ばしていきます。
全体にだいぶ艶が出てきましたね。
グラッサージュは同じ工程の繰り返しになります。
ですが、ただワックスを乗せていくだけではなく、光らせたいとこには多めに乗せたりとグラデーションを意識すると上手くいきます。
艶が出てきたら気になる箇所にワックスを乗せ、優しく円を描くように伸ばしていきましょう。
3回目の塗布で毛穴も埋まり、かなり艶も出てきたので、綺麗なネル生地でワックスはつけず水だけで全体を優しく磨きます。
ワックスの白いモヤモヤが消えるまで磨きましょう。
最後に仕上げです。
ヤギ毛のブラシに少量水を付け、全体を優しく磨きます。
全体に艶を出す事で自然なグラッサージュに仕上がります。
完成です。
つま先からサイド、カカトまでの艶が綺麗に繋がりました。
自然光にあたる事でより一層美しい輝きになります。
いかがでしたか?!
写真だけではわかりにくい点があったとは思いますが、やり続けるとポイントもわかってきて必ず上手になります。
今回ご紹介したやり方以外にも、様々なやり方がございます。色々な方法を試してみて自分流の磨きを発見するのも面白いかと思います。
今まで一度もグラッサージュした事がない方でも、磨く事でより一層自分のお靴に対する愛情が増すかもしれません。
いやいや、自分ではできないよ。
という方、お任せいただけましたら必ず綺麗にお磨きさせて頂きます。
今回のお修理の場合
ダイナイトオールソール 16500円
グラッサージュ 3080円
納期 2week
になります。
もちろんお磨きだけでもお持ち下さい。
グラッサージュのみですと1weekのお預かりです。
それでは皆様のご来店お待ちしております。
新宿店 青山店 古田